私たちの想い
日本国内で、生物多様性の保全や動植物の保護に取り組む団体の数は数百にも上ります。
その事実を知ったとき、衝撃を受けました。
そんなにもたくさんの「自然を守りたい」という思いが日本中にあふれているのです。
ですが、地域で活動する方々に話をお聞きすると、そのご努力は大変なものでした。
休日を使ってコツコツと活動を続け、
保護に必要な技術や知識を手弁当で身につけ、
子どもたちにその大切さを伝え、
企業や行政に保護の重要さをはたらきかける。
そんな大変な思いをされているにもかかわらず、
お話をされている姿は輝いていました。
このように「自然を守りたい」と思いをもって活動を続ける方々と、
活動に参加できなくても「自然を守ってほしい」と思いを寄せる方々とを、
もっと簡単に結び付け、地道な活動をサポートできるようにしたい。
そうして、みんなで日本の豊かな自然を未来へつないでいきたい。
このような思いでこの寄付サイトを立ち上げました。
活動のスタンス
・はちむすびは、”自然を守りたい”という気持ちをつなぐ中間支援組織です。
・活動団体とお話した上で、一定の基準に基づき、支援する団体を決めています。
・支援する団体の活動の進捗や成果を見える化し、定期的に発信していくことを重視しています。
・いただいた支援は、できるだけ早く支援団体にお届けします。
日本の自然の現状
日本は生物多様性のホットスポット
日本列島は、北海道から沖縄まで南北に約3,000キロ、東西にも約3,000キロの幅を持つ国です。
北の亜寒帯から南の亜熱帯まで幅広い気候帯に加えて、海抜ゼロメートルから3,000メートル級の高山まで起伏に富んだ地形、さらには、大小合わせて7,000近い離島を持つため、
多様な生き物や生態系にめぐまれた、世界でも有数の生物多様性※のホットスポットです。
加えて、大陸から分離した後に独自に進化した種も多く、
日本に生息する哺乳類の4割、爬虫類の6割、両生類の8割が
固有種(日本にしか生息しない種)といわれています。
※ 生物多様性とは、「種の多様性」「遺伝子の多様性」「生態系の多様性」の3つのレベルを指しています。
豊かな自然の危機
私たちは、古来、多様な生き物や生態系からめぐみをいただきながら生きてきました。
地域ごとに特徴を持つ生物多様性こそが日本の豊かな自然を支えてきたのです。
しかし今、各地の生き物や生態系が人間活動の影響を受け、危機にさらされています。
2020年に環境省が発表した「レッドリスト2020」では、現在、日本の絶滅危惧種は3,716種。
海洋生物のレッドリストを加えると3,772種に上ります。
2006~2007年に公表されたリストでは絶滅危惧種は3155種でしたので、
15年も経たないうちに、約600種の生き物たちが追加されました。
世界的にも絶滅に追いやられる生き物の種はどんどん増えており、
2005年に公表された国連のミレニアム生態系評価では、
絶滅のスピードは過去100年間で1,000倍になっていると報告されています。
このような危機の理由は、主に、
1.開発や乱獲による種の減少・絶滅、生息・生育地の減少
2.里地里山などの手入れ不足による適切な自然環境の消失
3.外来種などの持ち込みによる生態系のかく乱
4.地球環境の変化(気候変動など)による危機
と言われており、生態系自体も危機にあることが分かります。
そして、これらの理由すべてに人間の活動が関わっているのです。
生物多様性が一度失われると、「戻す」ことは簡単ではありません。
地球上から失われてしまった生き物は、二度と元通りにはできず、
さらにはその種が他の生き物や周辺の自然環境と緊密な相互ネットワークを築くことで成立していた生態系自体も崩れる可能性があるのです。
また、健全な生物多様性は、気候変動がもたらす異常気象や自然災害によるかく乱からの回復、
二酸化炭素の吸収にも重要な役割と果たしているといわれています。
豊かな自然を守るためには、生物多様性が失われる前に、行動することが大切なのです。
私たちにできること
動植物の保全は、絶滅の危機をもたらす4つの理由からもわかる通り、遠い世界の話だけではありません。レッドリストに掲載された約3,700種もの生き物やそれらを取り巻く生態系は、
私たちの生活ととても密にかかわっています。
特に、地域独自の豊かな自然は、
国や自治体だけで守り切れるものではなく、地域での地道な保全活動が欠かせません。
すでに、多くの方々がそのことに気づき、地域の希少な生き物や固有種を守るために、
また、身近な生態系を守るために活動を始めています。
私たちにできることは、その活動を知ること、一緒にアクションを起こすこと、
活動を支えること、活動を広めること、そして思いを寄せること。たくさんあります。
はちむすびは、このような各地の活動を紹介し、
寄せてくださった思いを形にしてつないでいく役割を目指しています。
そうして、レッドリストに掲載される種を減らしていくための、
全国に広がるネットワークを築いていきたいと考えています。
環境省 生物多様性サイト